世間話(4)そば屋の話
ときどき行くおそば屋でカウンターに座って、お酒を飲んでいたんです。麦焼酎のそば湯割り。軽くつまみをとって。いいですよね、そういうの。そうしたら僕の3つくらいとなりの席に男女の客がいまして。男は40代、女性は20代後半くらいで、どういう間柄かは知りませんが、ずっと本の話をしていました。で、まあ聞くつもりもなかったんですが、声が勝手に耳に入ってくるもので、まあしょうがなくて聞いていたんです。そうしたらそれが突然、僕の話になりまして、そのあと延々と僕の本の悪口なんです。「これは困ったな」と思ったんだけど、そこでへたに動くと目立つし、注文した料理もまだ出てこないし、しょうがなくて、片肘ついて顔を隠しつつ、じっとおとなしくしていました。
で、その男の人は、僕の書いた本のどこがどれほどつまらないか、連れの女性にこんこんと言い聞かせているんです。でもまあ、それはいいんです。作品を批判されるのは当然のことだから。褒められることもあれば、けなされることもあります。でも途中でふと気がついたんだけど、その人、僕の小説をほとんど全部読破していて、しかも実に細かいところまで中身を覚えているんです。「それほど嫌なら、そんなにみっちり読まなきゃいいじゃないですか」とか、そばから突っ込みたくなるんだけど、まあ、そんなこともできないですし、いったいなんなんでしょうね? あまりにも嫌いだから、つい手に取って熱心に読んじゃうんでしょうか。それとも愛憎、表裏一体なのでしょうか? とにかくそういうシチュエーション、ほんとに疲れます。おそば、食べた気がしなかったです。
(TOKYO FMの特別番組「村上RADIO~村上の世間話~」11月28日(日)放送より)
※前スレ
https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1638145176/
引用元: ・村上春樹 そば屋で居合わせた男女の会話を「聞くつもりもなかったんですが……」 ★2 [ひかり★]
村上春樹としてはこれを入れることで一矢報いたつもりか
繊細な人だ
最後に店員に「村上春樹さんですよね?サインください!」と言われ
男も気付いて、急に態度変えて「僕もファンなんです!」ってサイン求められたんで
男の手のひらにぺっと唾を吐いて「コレ売れるよ」と言ってやったとか
なーんかうそくせー
その男女
村上春樹がとなりにいることを知って
わざと饒舌に小説の話をしている
金庫にしまっておいて発表しなければいい
公開した以上バカにされるのは芸人と同じ
笑いどころか
春樹氏の作文
察し
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